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お知らせ

  • 2015年09月17日 古典に学ぶ うた / 身のほど知らず
  • 【うた】

    薛譚は秦青について歌をならった。ある日、もう秦青から学ぶものはなくなったと思いこんで、いとまごいをした。秦青は別にとめもせず、見送っていった。町はずれまできて、秦青は手びようしをうって悲しげに別れの曲をうたった。その声に林の木々はゆれ動き、空行く雲も、そのひびきに歩あゆみをとどめた。その時はじめて、薛譚は自分のあやまちをさとり、もとどおりに教えを授けてくださいとたのんだ。

    (参考:奥平卓・大村益夫訳「老子・列子」):徳間書店

    【身のほど知らず】

    わが身のほども考えず、夸父(伝説上の巨人)は太陽を追いかけた。追っ手追って隅谷(日の沈むところ)のきわまで駈けていった。のどがかわいたので、黄河と渭い水すいをのみほした。それでもたりず、走っていって北の大沢湖の水をのもうとした。だが途中で渇きのため倒れ、死んでしまった。

    (参考:奥平卓・大村益夫訳「老子・列子」):徳間書店