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お知らせ

  • 2015年12月25日 古典に学ぶ 道徳性の豊かな萌芽
  • 【道徳性の豊かな萌芽】

    正々堂々の戦い、道徳性の何たる豊かな萌芽が、この野蛮で子供めいた、この原始的感覚の中にあることであろう。それこそ文徳・武徳すべての根本ではないか。小さなイギリス人、トム・ブラウン(イギリスの作家)が、「小さい子を決していじめず、大きな子に背を向けなかったやつという名をあとに残したい」といった少年らしい願望をきいて、私たちはニンマリする。

    (参考:佐藤全弘訳新渡戸稲造「武士道」):教文館

    【キリスト教騎士の三つまの魂】

    最も穏やかで最も平和を愛する宗教(キリスト教のこと)さえ、この欣求を裏書保証すると言ってはいけないのだろうか。トムの願望こそ、イギリスの偉大がおおかたその上に建てられた基礎である。そうして、武士道もそれより小さな礎石に立ちはしないことは、ほどなくわかるだろう。ヨーロッパでは、キリスト教が、騎士道に霊的素材を注入した。宗教と戦争と栄誉とは、キリスト教騎士の三つの魂である。日本においても、武士道の源流がいくつかあったのである。

    (参考:佐藤全弘訳新渡戸稲造「武士道」):教文館