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お知らせ

  • 2016年03月10日 古典に学ぶ 自己認識とは / ギリシャ人とローマ人
  • 【自己認識とは】

    自己認識とは、ギリシャの教えでも日本の教えでも、人間の身体的な部分を知ることでもなく、その解剖学や精神物理学(19世紀中ごろに、G・T・Fechner「1801~1887」によって提唱された精神科学。心と物の関係など精神現象は物理学同様、実証的な測定法で基礎づけられると考える)の知識でもない。その知識は道徳的性質のもの、すなわち私たちの道徳的本性の内省でなければならなかった

    (参考:佐藤全弘訳新渡戸稲造「武士道」):教文館

    【ギリシャ人とローマ人】

    モムゼン(1817~1903、ドイツの古代史家)は、ギリシャ人とローマ人を比較して言う。ギリシャ人が祈るときは目を天にあげる。それはその祈りは観照だからである。それに対し、ローマ人はその頭にヴェールをかける。というのはその祈りは反省だからである。本質上ローマ人の宗教観と同じく、私たちの反省で目立つのは、個人の道徳意識よりは、むしろその国民的意識であった。

    (参考:佐藤全弘訳新渡戸稲造「武士道」):教文館